守谷こどものこころとからだのクリニック

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【11/18追記】新型コロナウイルス感染症第8波に備えて

11/8追記

皆さんは実感が薄いかもしれませんが、当地域でも第8波は始まっています。当院の発熱外来も連日予約一杯となり、陽性率も上がっています。

新型コロナウイルスワクチンの接種を強くお勧めするようになって、「ワクチンのリスク」についてご心配の声を多くいただいています。皆さん「自分が接種した際の副反応が辛かったので」ということでためらっていらっしゃるようです。とても素晴らしいことと思います。

安心してほしいのですが、子どものワクチンでは成人と比べると圧倒的に副反応が少ないことが特徴です。

特に大人で特に辛かったとされる発熱は、特に12歳未満では10%未満とされ、またアセトアミノフェンで軽減できます。

マスコミで取沙汰される心筋炎ですが、コロナウイルスに感染して生じる心筋炎と比べると無視できる水準(コロナ感染後が2.3%、ワクチンによるものが0.0005%)であり、ワクチンのメリットが勝ります。


今年の冬は、新型コロナウイルス感染症の第8波とインフルエンザ感染症の同時流行がまず避けられないと想定されています。政府の行動を見ていると、どうにも避けられそうもありません。

ただ、だからといって手をこまねいているわけにもいかないので、皆さんのお力で是非ともこの想定を覆しましょう。

そのために以下の予防策を行うことを強く推奨します。

・手洗い、マスクを再度徹底しましょう。

・全年齢で、インフルエンザワクチンと新型コロナウイルスワクチンを両方とも接種しましょう。


・手洗い、マスクですが特に手洗いが甘くなっているように思われます。2019年、2020年迄は、手の洗い過ぎによる手洗い湿疹のお子さんが多く見受けられましたが、今年は全く見受けられません。

昨年まで2年間は、いわゆる「風邪」がほとんど流行せず、熱を出すお子さんも極端に少なかったのです。経営的には困ったことですが子どもたちには良い結果でした。今年は第7波からコンスタントに熱を出すお子さんが沢山いらっしゃいます。何が違うかといったら、印象ですが手洗いの差のように感じます。アルコール消毒は定着しましたが、ルコール消毒では除去できない菌・ウイルスが沢山いるので、やはり手洗いに勝るものではありません。是非、手洗いを見直してみてください。


・予防に勝る感染対策はありません。予防接種があるのなら、接種して予防すべきと考えます。

1. インフルエンザワクチンは、集団の予防効果は「特定の地域の接種率が96%を超えるとその地域での流行をほぼ抑えることができる」ことが分かっています。現在の日本の接種率は大体65%程度です。この接種率だと、「感染を完全に防ぐ」ことは難しいです。是非、近づけましょう。

個別の予防効果は、「感染しない」のは難しいのですがそれでもリスクを減らせます。それ以上に、インフルエンザ脳症という重篤な合併症を防ぐ効果があります。感染してしまっても、重症化しない、命に関わらないようにすることは十分意味があります。

 

2.  4歳以下の新型コロナウイルスワクチンの接種が開始されました。

守谷市を含む近隣市町村は、親御さんが自分で問い合わせないと接種券が送られてきません。

守谷市 : https://www.city.moriya.ibaraki.jp/kurashi/sonota/COVID-19/vaccine/nyuyouji.html

取手市 : https://www.city.toride.ibaraki.jp/hokencenter/kurashi/kenko/coronavirus/vaccine/corona_vaccine_baby.html

常総市 : http://www.city.joso.lg.jp/soshiki/eisei/hoken/kan/kansen/1666936609318.html

つくばみらい市 : 情報なし

11歳以下の接種率が低いのは事実ですが、市としては広報をしていたそうです。老人の接種の時とは随分熱意に差がありますけどね。子どもの接種率がどのくらいか皆さん知ってます?高齢者の時は広報もりやに毎回接種者数と接種率を上げてましたよね。子どもの接種では一切見かけません。私は守谷市は子どもの命を守るつもりがないのだと感じました。

しかもどこの市のホームページでも目立つように「強制ではありません」の文字。お役人魂がすごいと思います。責任を負いたくないのでしょうね。

日本小児科学会は明確に接種推奨としています。ぜひ、接種してください。

http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=466

 

新型コロナウイルス感染ですが、「子どもは感染しても大したことない」「子どものワクチンは本人のためじゃなくてお年寄りのため」「子どもへのワクチンは安全性が担保されていません」なんて情報がネットだけじゃなくテレビや新聞にも書かれています。関係ありません。接種を勧めます。

子どもは感染しても大したことはない、一部本当です。ですが、亡くなるお子さんも出ています。

今年の1月から8月までで0歳が8人、1から4歳が6人、5歳から11歳が12人、12歳から19歳が3人です。ワクチン接種対象の15人のうち2回接種者は2名のみでした。

また、亡くならないまでも熱性痙攣、クループ、肺炎といった重度の合併症のリスクが高いことが報告されています。国保旭中央病院の報告では、第7波では第6波に比べて入院数が1.5〜2倍となったと報告されています。重症化率が高齢者より少なくても、患者数が増えればそれだけ重症者数も増えます。また、変異前のコロナでは確かに小児は感染しにくかったのですが、変異を繰り返す中で小児も感染しやすくなっています。

できる予防策を全て行なっても、運悪く最悪の運命となることはあり得ます。しかし、できる予防策を行わずに最悪の結末となった時、人の親として必ずそこに強い後悔が残ります。高齢者のためなんかじゃない、お子さんのためにこそワクチンが必要なのです。

安全性が担保されていない、という人もいます。とんでもありません。心筋炎のリスクが取り沙汰されていますが、コロナなに感染して心筋炎となるリスクと比べたら無視できる頻度です。ワクチン被害者だという人たちが裁判を起こしましたが、子宮頸がんワクチン訴訟と同じ轍を踏んでいると見えます。

ここまで強く推奨しておりながら、当院では新型コロナウイルスワクチンを行っていません。理由は二つ。一つは希望者が少なすぎて、予約枠が埋まらなかったこと。1回に10人接種しなくてはいけないのに、2人くらいしか予約が入りませんでした。貴重なワクチンをドブに捨てるようなものでしたから、集約化すべきと考えました。もう一つは、純粋に多忙だからです。特に、10月からはインフルエンザワクチン接種が始まっており、院長は月のお休みが1日か2日しかありません。また、一般診察も沢山いて捌ききれていない状況で、新型コロナウイルスワクチンをやろうとすると診療時間外にやるしかないのですが、従業員の労務管理の問題が大きく断念しました。

守谷市に、集団接種の提案を何度も何度も何度も何度もしましたが、「現状の予約状況が少ないのでやりません」というお返事でした。患者さんたちからは、日曜日に地域の小学校の体育館でやってくれればありがたいとお声を頂戴していました。実施したら接種率は確実に上がるのに、市役所の不作為により実施できませんでした。ニーズを掘り起こす努力を放棄したのです。残念なことです。

個人的にやることも考えましたが、私は最悪休みなく働いても良いですがスタッフはそうもいきません。ずっと悩んでいます。

うちの長女には既に2回接種していて、3回目も予約済み、次女は1歳になったばかりですが接種します。ですが予約枠が少なすぎて取れるか分かりません。だから集団接種だというのに。もし、よろしければ皆様からも市に提案してください。よろしくお願いします。

やれることを全てやった上で、それでも悔いが残るのが子どもの病気です。出来ることはやりましょう。

 

 

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